「青白き夢」の感想
青白き夢
あおじろきゆめ
初出:「新小説」1915(大正4)年1月号

素木しづ

分量:約41
書き出し:この夜も、明けるのだと思った。お葉は目を明けたまゝ、底深い海底でもきはめるやうに、灰色の天井を身ゆるぎもせず、見つめたまゝ、『お母さん!』低く呼んだ。淡黄色い、八燭の電気の光りのなかに、母親は重苦しくひそやかに動いて、ベッドのそばに手をかけた。『苦しいのかい。水が呑みたい?』お葉は、なほ天井を見つめたまゝ、何といってよいか、只悲しかった。お母さんは、なんでも知ってゝ呉れる。私に解らない心をも、お母...
更新日: 2025/01/14
65c8aadc88adさんの感想

雙喜 痛々しくも 若くして 片足切断という 大手術を 明日にひかえた 少女の 心情を 清冽な 文体で 描き 出して 見せる。読み手にも 恐怖感が 重く 伝わってくる。しづさんには もっと 沢山の 作品を 残して もらいたかった との 気持ちが わきおこる。私には 彼女の 早逝が 心底おしまれると 感じいった。

更新日: 2022/05/18
阿波のケンさんさんの感想

ある少女が脚の切断手術をするだけの話だがピュアな心から発せられるピュアな言葉は読者を感動させずには置かない。結核性関節炎による作者の生の実体験から発せられるものであるからであろう。

更新日: 2020/04/11
245f21dfaaeaさんの感想

とてもよい、良質な言葉使いのものです。悲しいけれども、優雅さが主人公にはありました。

更新日: 2016/06/12
f74bac4a4016さんの感想

私も、作って読んでもらいたい

更新日: 2015/12/24
奥津棄戸明さんの感想

乙女な文章だ

更新日: 2015/09/12
a5ac6a3c331fさんの感想

下肢を切断しなければならないため入院している、明日はその手術をうける、病室の一夜。計り知れない不安からのがれるために ひたすら母親をよびつづける。 母に触れられて 一時の安堵を得て眠りにつく。 夜明けを待ち焦がれる心と 時間がたつ恐ろしさ。 朝の光、木々の瑞々しさ、戸外の音など 美しく儚く表している。 時間の経過が 前後してわかりにくかったので もう一度じっくりあじわいたい。 都会の病院の様子が わかって、違う方向からも、興味深く読みました。