2(後編)
有島武郎
倉地のような男のどこに何の魅力があるのか。命懸けでこんなくだらない下品な男に狂う葉子。またその葉子の中にも優れた所は容姿だけで他に何も見当たらないのだから始末に負えない。ひたすらに愚かものであり愚かなまま死ぬ。明治時代の骨董のような作であるとしても何一つ汲めなかった。