「渋江抽斎」の感想
渋江抽斎
しぶえちゅうさい
初出:「大阪毎日新聞」「東京日日新聞」1916(大正5)年1月13日~5月17日

森鴎外

分量:約540
書き出し:その一三十七年如一瞬《さんじゅうしちねんいっしゅんのごとし》。学医伝業薄才伸《いをまなびぎょうをつたえてはくさいのぶ》。栄枯窮達任天命《えいこきゅうたつはてんめいにまかす》。安楽換銭不患貧《あんらくぜににかえひんをうれえず》。これは渋江抽斎《しぶえちゅうさい》の述志の詩である。想《おも》うに天保《てんぽう》十二年の暮に作ったものであろう。弘前《ひろさき》の城主|津軽順承《つがるゆきつぐ》の定府《じ...
更新日: 2020/12/05
h2moo4さんの感想

執筆の経緯から始まり、渋江抽斎と子孫についての調査内容が詳しく書かれています。 小説ではなくドキュメンタリーにあたると思います。 よくこれだけ調べられたものだと氏の行動力に驚嘆するばかりです。

更新日: 2020/11/15
19双之川喜41さんの感想

 綿密な考証を重ねて書き上げるにつき 智力と財力を 注ぎ込んだに 違いない。 重厚さに 圧倒されるのである。 軽みに 賞が与えられ 商業的にも成功する時代の対極にあると思った。

更新日: 2015/11/17
3e9c4b240bacさんの感想

ひたっ…すら、渋江氏とその家族についての経歴を書き連ねた作品。はぁ、退屈だった汗 もう、何度か挫折しかけた。多分、鴎外的には、渋江氏をリスペクトするあまり、「この人の自伝を残せるのは俺だけだ!(じゃないと歴史に埋もれて今後の世に名を遺せないから)」と、ひたすらマニアックな萌を発露させてしまったのだろうなー、 それにしても、個人の(あるいは 知人数名の)力だけでよく、そこまで微細に昔の人の人生を調べあげたね…。渋江氏の熱狂的ファンて、昔もこれからも森鴎外ただひとりだろうに。 鴎外的には、読書中、たまたま歴史の本の編纂に関わった渋江チュウサイとかいう人が、自分と同じ医者でなおかつ文芸好きだったってとこに、このうえなくシンパシー☆ミだったぽい。 ま、とにかく無駄に(ごめん)長いのと退屈なので再読はおそらくなしです。はい。