夢野久作の描く女性が本当に好き。 ホホホホホという笑いだけで美しさと垣間見える猟奇的なところがたまらない。 書き出しにかなり引き込まれた。読了後にココナッツの花言葉を調べたら「思いがけない贈り物」というものがあった。ここまで計算して書かれたものかはわからないけどそれにしても巧みと言わざるを得ない。
わからないことが複数ある作品だと思った。 まずエラ子は赤岩の私生児ではなく妻である。籍は入れてない妾なのかもしれないが、新聞はなぜ私生児と書いたのか。赤岩という金持ちに妾がいることを明かしてはいけなかったのか。この時代の金持ちなら妾がいてもおかしくないだろうが……。 次に爆発現場では大穴が2つあったこと。これは2つのココナットの実が爆発してできたものだろうが、1つはエラ子が落としたもので間違いない。しかしもう1つはウルフ少年が持っていたものである。彼も爆弾を起動させたのだろうか。それともエラ子の落とした爆弾によりその爆弾も爆発したのか。 あとハラムは爆弾によって誰が死ぬか予知していたようである。ならば自分がエラ子に殺されることもわかっていたのではないだろうか。それも運命と思い受け入れたのか。 ハラムがココナットの実をオモチャと呼んだのも気になる。ウルフは爆発で死んだはずだが、新聞ではエラ子と逃亡したように書かれている。共産党と赤岩財閥が絡んでいるため、嘘が書かれているのか。 エラ子は逃亡の身となったが、共産党と赤岩財閥のしがらみがあり、警察が事件を解決するのは難しそうだなと思った。
一行でノックアウト 難船小僧はキングのレッドの語り口 夢Qは語りが上手くて引き込まれる どうぞそのおつもりでネ・・・ホホホホホ