「冗談に殺す」の感想
冗談に殺す
じょうだんにころす

夢野久作

分量:約38
書き出し:一私は「完全な犯罪」なぞいうものは空想の一種としか考えていなかった。丸之内の某社《ぼうしゃ》で警察方面の外交記者を勤めて、あくまで冷酷な、現実的な事件ばかりで研《と》ぎ澄《す》まされて来た私の頭には、そんなお伽話《とぎばなし》じみた問題を浮かべ得る余地すら無かった。そんな話題に熱中している友達を見ると軽蔑《けいべつ》したくなる位の私であった。その私が「完全な犯罪」について真剣に考えさせられた。そう...
更新日: 2021/03/05
ひまわりさんの感想

誰にも見られていない犯罪はない。自分は必ず見ている。それが鏡によって思い知らされ、破滅を辿っていくのがおもしろかった。 何となく村上春樹さんの『鏡』を思い出させた。自分は自分だけど鏡に映った自分は自分と言えるのか、もはやそれは他人と言えるのではないか。シンプルにおもしろくて考えさせられる作品だった。

更新日: 2017/05/06
d710feb4f7d2さんの感想

完全犯罪の破綻 鏡 動物虐待