「一房の葡萄」の感想
一房の葡萄
ひとふさのぶどう
初出:「赤い鳥」1920(大正9)年8月

有島武郎

分量:約18
書き出し:一僕は小さい時に絵を描《か》くことが好きでした。僕の通《かよ》っていた学校は横浜《よこはま》の山《やま》の手《て》という所にありましたが、そこいらは西洋人ばかり住んでいる町で、僕の学校も教師は西洋人ばかりでした。そしてその学校の行きかえりにはいつでもホテルや西洋人の会社などがならんでいる海岸の通りを通るのでした。通りの海添いに立って見ると、真青《まっさお》な海の上に軍艦だの商船だのが一ぱいならんで...
更新日: 2025/01/26
5ac74dee8c22さんの感想

この先生すごい。 おそらく主人公は一辺倒に叱ったらこのまま坂を転がり落ちてただろう。 優しくすることで罪悪感を噛み締める時間を与えて、絶対に登校すると約束させることで他責思考や自暴自棄になる気持ちを抑え、反省を促したに違いない。 誰しもがこの処罰で立ち直りはしない、このプライドか高い割に卑怯な行為をしてしまった主人公だからこそこの反応なんだろうと感じた。 でも、ジムにはあとから、何年も経った後でもいいから、謝ってほしい。その機会を与えないジムじゃないと信じたい。

更新日: 2023/09/23
6508f929daffさんの感想

絵の具を欲していた主人公が、最後にはあの大理石のような美しい白さを欲しくなるという構図が美しい。子供にとっては貴重な藍と洋紅色の絵の具の代わりに、それらが混ざり合った、季節が巡れば実る葡萄をモチーフにすることでしかこの作品は成り立たない。文章も平易で読みやすく、とにかく綺麗な作品だった。

更新日: 2023/07/11
あかりちゃんさんの感想

ジムがいいやつすぎる 主人公、ジムに謝れよマジで 先生も謝らなくていいじゃないよケジメはつけようよ 悪いと思ってないの相当ヤバい 先生の与えた反省の機会に悲しい〜!って思ってたら寝ちゃってて結局ジムに対してごめんってよりやらかしちゃったアセしか考えてないのヤバすぎる てか大人になって、この経験を語ってるって感じの物語なんやと思うけど、当時の先生のこと若干見下してないか???えあたしの気のせいかな 当時はそういうもんなわけ? 先生、穏やかな優しい人って感じ 思い出補正? 最後ジムと葡萄はんぶんこしてあげんの、主人公とジムがおしゃべりする機会作ったのかな なんだかんだ揉めて誰かに仲直りさせられると表面仲直りしてもなんかやりにくいから、お話する機会あげるのすごい大人って感じ! 主人公、好きな先生を悲しませたり怖い思いしたり後ろめたかったりとかあったからもう盗みはしないと思うけど性格悪いのは変わんなそう一生 なんならこの話のことも学祭時代のいい思い出(笑)とか思ってそう 偏見かも まあでもみんなの気持ちが円満ハッピーエンド!て感じでよかった! 読んでて学校懐かし〜!てなったし、小さい頃ってやらかすとマジ世界の終わりって感じするじゃん それがすごい丁寧に書いてあった て思うと世界の終わりくらいの絶望を許してもらえてきっと主人公は救われたんだろうな なんもまとまってない感想! コミュニケーションって大事やね(?) 読んでよかった気がする! ぶどうおいしいよね

更新日: 2020/07/01
32a81e54d52cさんの感想

優しい言葉遣いでぼやかされているような気もしますが、主人公の身勝手さが表れている話です。ジムに対する罪悪感よりも、自分が好きな先生を困らせた事に対する罪悪感の方が強いように見えますし、結局主人公は謝罪していません。謝れば良いという事でもないですが、そういうけじめはつけるべきではないかとも考えます。子供という立場の生ぬるさとも見えますね。 子供の素直な感性から、人間本来の身勝手さの本質を表現していると読むこともできそうです。そういった意味で良い物語だと感じます。

更新日: 2019/11/06
19双之川喜41さんの感想

 少年は ほんの少しだけ 自分を乗り越えた。 葡萄を食べるたびに この日のことを思い返すと思う。 友達も 先生も見上げた人達であり 素晴らしい教育環境が 羨ましいと感じた。

更新日: 2019/08/09
1131187e9971さんの感想

小さな子どもの頃にだれでもありがちな、人の物が欲しくなって手を出してしまった子どもが同級生に責められ、それを先生に告げ口された顛末を描く。その子どもの心理、先生の接し方、取られた同級生の対応がなんとも甘酸っぱくも優しいふれあいが心にしみる名品。(周五)

更新日: 2019/07/06
d99457429df2さんの感想

子供心に目の前のことで頭が一杯になってしまう様子が、柔らかな文体でとっても鮮明に描かれていました。 大人になった今でも、自責の念に駆られたときにはこれを読んで慰めてもらいたいなと思える素敵な作品です。

更新日: 2018/07/14
あの日さんの感想

読んだのは小学生の時以来。 優しさに癒され、情景の美しさに癒され、懐かしさに癒やされました。 子供を育てたり、部下を叱ったりする立場になり、この先生の偉大さに感動しました。

更新日: 2018/05/28
61107fd1f9f1さんの感想

先生はいったいどんな魔法をかけたのだろうかと、本当にみんな先生が好きなんだなと思いました。とてもほっこりしました

更新日: 2018/01/20
708be5f9616cさんの感想

少年の繊細な感性をそのままにしたような作品だと思います 敬語の書き方から育ちの良さを伺えます

更新日: 2016/11/30
0a4cdec075deさんの感想

葡萄をもいで渡してくれる先生の描写がとても美しくて、場面が頭に浮かんで離れません。

更新日: 2016/11/06
|wä|さんの感想

日本語、特に敬語の美しさに胸を打たれました。 最後の一文で作者が何を伝えたかったのか噛み砕いてみたいと思います。

更新日: 2016/09/11
ef5b697adaf7さんの感想

懐かしい❗

更新日: 2016/08/06
短いけど気持ちはもりだくさんの感想

生徒達はみんな先生が大好きなんでしょうね。優しい

更新日: 2016/08/03
7892383668b8さんの感想

先生の温度の低さとぶどうがぴったり。

更新日: 2016/06/16
a-twiceさんの感想

早子先生、結婚するって本当ですか?というドラマで、この本を知り、読みました。主人公の男の子の心のざわつきが自分の心にそのままやってきました。最後、先生がジムにかけた魔法はどんな言葉だったんでしょう。

更新日: 2016/03/07
25bc4a5562f6さんの感想

温かい気持ちになれる素敵な内容でした。子ども達に読んで欲しい本です。

更新日: 2016/02/24
a98a2cd23bf1さんの感想

小学生のころ、してはいけない事をしてしまったとき、地球が壊れてしまえばいいのにと願ったことを思い出しました。 こういう時の 苦しい思い出は 大人になってからの 宝物です。 葡萄をくれた先生は、主人公以外の生徒達に どの様に話して 心を解きほぐして いかれたのか 想像しても 私には とても 不可能。

更新日: 2016/02/24
51b7238d7e2eさんの感想

幼少の頃、いたずらをしてしまい、ドキドキした感じを思い出した。 叱られるのが、わかっていての、罪悪感を抱えた小さな心が、嫌な気持ちでいっぱいになり、押し潰されそうな苦しさを。 内容が最後救われて良かった。