夢野久作
一人称と三人称が錯綜しているけど文章として読みにくいわけではない。 多分これはわざと自他を明確に分離しないようにしたもので、作中での夢か現実か区別がついていない場面からもそれが分かる。 数学教師の主人公ということでハッキリと決まりきった物事が好きな性格が想像出来る。 しかし、科学と心霊、あの世とこの世などが区別されることなく混ざりきった内容になっているため主人公の揺れがよくうかがえる。
ここまで人間の心理を上手く書き写せる人はいない