「斬られたさに」の感想
斬られたさに
きられたさに

夢野久作

分量:約57
書き出し:「アッハッハッハッハッ……」冷めたい、底意地の悪るそうな高笑いが、小雨の中の片側《かたがわ》松原から聞こえて来た。小田原の手前一里足らず。文久三年三月の末に近い暮六つ時であった。石月《いわつき》平馬はフット立止った。その邪悪な嘲笑に釣り寄せられるように松の雫《しずく》に濡れながら近付いて行った。黄色い桐油《とうゆ》の旅合羽《たびがっぱ》を着た若侍が一人松の間に平伏している。薄暗がりのせいか襟筋《え...
更新日: 2025/03/20
b1a5a6b8ef5aさんの感想

あの夢久とは思えぬ展開、まるで山本周五郎を思わせる作品である。