「洋灯」の感想
洋灯
ようとう

横光利一

分量:約11
書き出し:このごろ停電する夜の暗さをかこっている私に知人がランプを持って来てくれた。高さ一尺あまりの小さな置きランプである。私はそれを手にとって眺めていると、冷え凍っている私の胸の底から、ほとほとと音立てて燃えてくるものがあった。久しくそれは聞いたこともなかったものだというよりも、もう二度とそんな気持を覚えそうもない、夕ごころに似た優しい情感で、温まっては滴り落ちる雫《しず》くのような音である。初めて私がラ...
更新日: 2024/04/14
19双之川喜41さんの感想

 いわば ランプは 横光にとっては 思いでの シンボルのようで これを きっかけに 横光の 幼時の 記憶が よみがえる。叔母は 拭き掃除をする時 一糸まとわぬ姿で 生け花や 茶の先生なのに かまわず 決行する 習慣があった。ちょうど 玄関で 全裸ショーを しているときに 来客があり 叔母は 雑巾で 前を 隠しながら 挨拶を したという。私も その場に 居合わせたかったと 感じた。