「魔像」の感想
魔像
まぞう
初出:「探偵文学」1936(昭和11)年5月

蘭郁二郎

分量:約28
書き出し:一寺田|洵吉《じゅんきち》は今日も、朝から方々職を探してみたが、何処にもないとわかると、もう毎度のことだったが、やっぱり、又新たな失望を味って、当《あて》もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ているのであった。——これは寺田の「淋しい日課」だった。郷里《くに》で除隊されると、もう田舎で暮すのがバカバカしくてならず、色々考えた末、東京のタッタ一人の叔父を頼って、家を飛出しては来たものの、叔父...