「鳳来寺紀行」の感想
鳳来寺紀行
ほうらいじきこう

若山牧水

分量:約24
書き出し:沼津から富士の五湖を※つて富士川を渡り身延に登り、その奧の院七面山から山づたひに駿河路に越え、梅ヶ島といふ人の知らない山奧の温泉に浸つて見るも面白からうし、其處から再び東海道線に出て鷲津驛から濱名湖を横ぎり、名のみは久しく聞いてゐる奧山半僧坊に詣で、地圖で見れば其處より四五里の距離に在るらしい三河新城町に※つて其處の實家に病臥してゐるK——君を見舞ひ、なほ其處から遠くない鳳來山に登り、山中に在ると...
更新日: 2021/10/04
8c1923ab1693さんの感想

 私の故郷は、牧水の生家を20kmほど、西に奥まった神門(みかど)と言う所です。中学生時分に歌人牧水を知り、その詩に、その生き様に強く憧れました。18の時から故郷を離れ、愛知県に住み着きはや45年、歌人牧水が、鳳来(愛知県新城市)まで脚を運んでいたのを知ったのは、6,7年前の事です。家内の出が、鳳来山の東側7,8kmくらいに位置する巣山と言う所で、家内の母親が巣山の麓、鳳来寺山を西に見上げる井代と言う所です。その井代の和菓子屋で、牧水に因んだ和菓子が店頭で売られているのを知り、‘’鳳来寺紀行‘’に辿り着きました。同郷の憧れの偉人が生まれた時代の違いはあれど、同じ場所に脚を運んでいた事に深い感銘を覚えました。