「尚書稽疑」の感想
尚書稽疑
しょうしょけいぎ
初出:「支那學」1921(大正10)年3月発行、第一巻第七号

内藤湖南

分量:約32
書き出し:所謂先秦の古書は其の最初編成されてより以後、或は増竄を生じ、或は錯脱を生じ、今日現存せる篇帙が最初のものと異つて來てゐることは、何れの書にも通有の事實であつて、幾んど原形のまゝの者はないと謂ふも過言ではあるまいと思ふ。但だ其中で兩漢六朝以後に竄亂されたものは明かに之を僞書として鑑別することになつてゐるが、其以前に竄亂されたものは大抵之を看遁す傾になつてゐる。今早くより竄亂附加あることの明かなる例を...
更新日: 2016/12/19
b9ef941530ccさんの感想

内藤湖南の尚書稽疑は、尚書は数種類あり、孔子は東周周公時代を理想とし、尭舜を古代君主の理想としたが、墨子の尚書には禹があり、その他には黄帝もある。これらは、当時の思想家が産み出したもので、孔子が対抗上尭舜に禹を加えたりしたのであろう。