「聖徳太子」の感想
聖徳太子
しょうとくたいし

内藤湖南

分量:約19
書き出し:聖徳太子に關して徳川時代の儒者で之を作者の聖と稱せし人があつたが、之は最も善く當つて居つて、殆んど其の人格の全體を悉して居ると思ふ。支那で作者を聖と稱するのは、即ち人民の爲に其の生活に關する種々の仕事器物など、更に進んでは文物典章を作つた人を聖人とすると謂ふ意味で、伏犧神農以下文武周公に至るまで皆さう謂ふ性質の人である。日本では勿論人民の生活に關する一般的のことは前から自國で發明されて居ることも有...
更新日: 2016/12/14
b9ef941530ccさんの感想

内藤湖南の聖徳太子観は、これまでの通訳外交(多くはシナや朝鮮の帰化人)で、シナへの属国外交であったが、聖徳太子の隋派遣の国書は対等外交であった。国内的には憲法十七条で天皇中心の国家体制をめざし、仏教という新しいものを導入して文化の刷新をした。蘇我氏とは忍耐強く望み、優れた統治を進めた。