オチがないのでしり切れとんぼのような感じがするが、人生はこういう浮き沈みの連続で、幸福も不幸もない、あるとしたら不幸だけ、というような考え方が、如実に現れているような作品だったのかなと思う
最後の奥さんの「私たちは生きていさえすればよい」の一言に全てが詰まっている感じがした。つらい現実は変わらず存在するが、それをどうにかして違う見方をしようとする姿に感動した。
時代が違うからしっくりこないところがあると思います。 ダメな旦那はずっとダメダメで、お嫁さんが落ち込みながらも、うまいこと楽しく見えるところを探して生きてるかんじ。 楽しそうにしていたと思ったら、辛い現実が変わらずあって、でもそんなの無視して生きていけるの強いなあ。
言葉使いが綺麗なのか時代性がそう感じさせたのか登場人物の精神がそうさせたのか分からないけど、読んでて心地よさがあった。でもそれはあくまで付随的な要素。 太宰を生涯にわたって苦しめた要素への一時的な抵抗のための文章のように感じた。この作品のエネルギーに触れている時間にしか肯定されない生というものはあると思うので、思い出したように読み返す日が来るかもしれない。
凄い続きが気になる。 「これで終わりなの!?」ってなる。だけど、中途半端な所で終わるからこそ、良さがある。読者の想像次第で、この後の、話しの内容が良い方に傾くのか、それとも、悪い方に傾くのか、ぜひ読んで想像してもらいたい。 途中もすごく面白くて、太宰治らしいちょっとひねくれてる感が出てる。 読んでいて、心がきゅっとなったりするところもあるけど、そこが美しく感じる。 素晴らしい作品なのでぜひ読んでもらいたい。
「えっ、これで終わり…?」と思ってしまう一方で、夫婦の生活がこれからもそうやって続いていくのだろう、という想像力を試されているような気分にもなる。 そして物語全体を通して思ったことは、「クズってどこか魅力的なんだよな」ということ。口が上手いと、やっぱ騙されちゃう女性は多いんだよね…。もはや、嘘だとわかっていても、騙されているのすら心地良いとすら感じてしまうような。 そういうリアルが太宰の作品にはあふれていて、それがほんとに好き。
まさか1番最後に主人公が[生きていさえすればいい]と言うとは思わなかった。主人公は女性特有の優しさを兼ね備えているとともにどこか冷酷なものを持っていると感じた。太宰が生きていた時代の世の中の縮図を表しているのではないかと思った。
生きてさえいればいいなどと書いた人間が、なぜ自殺したのか
読みながらなぜ太宰は自殺したのだろうかとばかり考えた。Wikipediaによればためらった後もあるらしいし、この小説に出てくる子のようなダウン症の実子が原因とも書かれてるけど、これだけのフィクションを想像膨らませて書く頭脳なら何に対しても考えすぎてしまうんだろうなと思った
人非人でも生きていさえすればいいのよ この言葉で締めることで女の強さを感じる。 皆が違法に商売する世の中、いい加減でろくでもないけどモテる旦那がいる、発達障害の子供がいる境遇でも全てを受け入れ健気に、強く生きる女の強さ。 羨ましい妻。 旦那は繊細でアル中でまともじゃないのが面白い。 飲み屋の金盗んで逃げて、家まで追われてジャックナイフを取り出すのはクレイジーで笑える。
人間失格とテーマは同じかな⁉️
クズな主人と、それに巻き込まれる嫁と子かと思ったけど、そんなことはなかった。時代背景も踏まえながら強く、生きる嫁。 なぜ人を惹きつける魅力があるのかわからない主人だったけど、ずっと死にたがっていたりして、今でいう「メンヘラ製造機が一番メンヘラでした」みたいなのを感じた
こんな健気な奥様は今の世にはほとんどいないでしょう。いくら好きでも私にはこんなのは無理…さっちゃんにも裏があるのでは?と思ったら終わった。笑 あっけなく。
こういう下世話な世界が当時の社会だったのであろう。良くも悪くも。
死ぬ事ばかり考えていた、いる。 絶望に酔いしれた大谷、生きていればいいのよ。の言葉が軽やかで重く響く。
スッキリしない終わり方でした
夫が何故なんだかんだ周りに許され奥さんにすごく愛されてるのかよく分かんなかったけど、店主の「人間三百六十五日、何の心配も無い日が一日、いや半日あったら、それは仕合わせな人間です。」という言葉は印象に残りました
くず男は今も昔も
カスのお話!
作者の 分身と思われる 主人公は どう見ても 性格破綻者であり 依存症にもみえる。 心理描写や 性格描写に 活路を 見いだす。 その辺りの筆力に 並々ならぬ 魅力を 感じてしまう。