「嘘」の感想
うそ

太宰治

分量:約22
書き出し:「戦争が終ったら、こんどはまた急に何々主義だの、何々主義だの、あさましく騒ぎまわって、演説なんかしているけれども、私は何一つ信用できない気持です。主義も、思想も、へったくれも要《い》らない。男は嘘《うそ》をつく事をやめて、女は慾を捨てたら、それでもう日本の新しい建設が出来ると思う。」私は焼け出されて津軽の生家の居候《いそうろう》になり、鬱々《うつうつ》として楽しまず、ひょっこり訪ねて来た小学時代の...
更新日: 2024/04/11
19双之川喜41さんの感想

 召集令状が きたら 否応なしに 入営しなければ 為らないのに 直前に 男は 逃亡してしまう。村の恥でもあるので 男の嫁に 村に 逃げ帰ってくるような ことがあれば すぐに 知らせるように 因果を 含めるけど 嫁に しらを切られる。そのやり取りを 馬小屋の 屋根裏で 聞き付けた 男は 首括りを 図るが 失敗する。大雪に かこつけて この騒ぎは 無かったことに してしまう。誰だって 令状には 慌てると 想った。

更新日: 2022/05/19
decc031a3fabさんの感想

戦時中の入営と大きな話に限らなくても、昔から現在まで似たことがありそうだ。この場合外聞は守られたのだから、表に出る話で無くなったが、度胸のある女の強かさと捉えるだけで良いものか?このシチュエーションは嘘をつかれたら困るものだったのだから、わだかまりは大きく残るだろうな。