「善蔵を思う」の感想
善蔵を思う
ぜんぞうをおもう

太宰治

分量:約37
書き出し:——はっきり言ってごらん。ごまかさずに言ってごらん。冗談も、にやにや笑いも、止《よ》し給《たま》え。嘘《うそ》でないものを、一度でいいから、言ってごらん。——君の言うとおりにすると、私は、もういちど牢屋へ、はいって来なければならない。もういちど入水をやり直さなければならない。もういちど狂人にならなければならない。君は、その時になっても、逃げないか。私は、嘘ばかりついている。けれども、一度だって君を...
更新日: 2023/03/28
鍋焼きうどんさんの感想

自己嫌悪、自暴自棄、自虐志向の塊。兎に角、ネガティブ。そんな太宰だが、贋農婦と薔薇の一件で、自分が思い違いをしている可能性を見出して気分が和む。思いもしないところから助け舟が出てくるものである。