「たずねびと」の感想
たずねびと
たずねびと

太宰治

分量:約19
書き出し:この「東北文学」という雑誌の貴重な紙面の端をわずか拝借して申し上げます。どうして特にこの「東北文学」という雑誌の紙面をお借りするかというと、それには次のような理由があるのです。この「東北文学」という雑誌は、ご承知の如《ごと》く、仙台の河北新報社から発行せられて、それは勿論《もちろん》、関東関西四国九州の店頭にも姿をあらわしているに違いありませぬが、しかし、この雑誌のおもな読者はやはり東北地方、しか...
更新日: 2024/04/14
19双之川喜41さんの感想

帰省の 途中の 汽車の なかで 恵まれたものは 蒸しパン 赤飯 卵である。ひとこと 御礼が 言いたいけど どこの誰だか かいもく わからない。尋ね人の時間というのを 国営放送て゛その頃 やっていたけど 読み上げて もらうだけでも 希望者が 殺到しているので 時間が とてつもなく かかった。太宰の うつうつ悶々とした 心情が 読み手に 伝わってくる。描ききって 妙であると 感じた。

更新日: 2016/05/03
5308235de68eさんの感想

一種のにくしみを含めて... やはり、太宰

更新日: 2016/04/03
芦屋のまーちゃんさんの感想

太宰文学の根底にも戦争がある。裕福な家の出という印象が太宰には強いが、戦争が彼を乞食にした。それでも彼のプライドが「にぎりめし争奪戦の権利を放棄」して死を選ぶと言っている。37才で果たして言える台詞だろうか?つまらない人生だったとも言っている。読者からすれば、波乱万丈の太宰の人生がつまらないものなら、一体面白い人生とはどのような世界なのか?と思う。 そんな太宰ではあるが妻と子供に食料をくれた若い女を“たずねびと”として探している。お礼を言ってない、という動機で。本当か?もしその者が老婆だったら?強固な男だったら?太宰の“女たらし”の面が伺える。