危篤の息子のもとへ行くために急いで馬車に乗りたがる悲痛な、そして悲痛なあまり滑稽でさえある農婦と、彼女の気持ちを嘲笑うかのように自分のルーティンを守って少しも急ぐことのない馭者、その他の人々を乗せた馬車が、なんとなく不埒な態度の馬ごと崖の下へ落ち、最後に超然としたハエだけが悠々と空を飛ぶ。 事件だけ見れば悲惨なはずだが、極めて写実的な書きぶりとたった一匹のハエの導入により、機械的な、あるいは爽快感さえある結末になっている。利一による語りの巧みさが見事な、彼の傑作の一つだと思う。
言ってみれば 蝿が狂言回しである。 この世と あの世を 自由に飛び回る。 横光は 小説の神様と言われたそうだが 実に上手い。 あえて 難癖(なんくせ)をつければ 章のこまかさは なんだろうか。 意味が 秘めてあるのだろうけど 見破れないと感じた。
大昔に読んでいた 春は馬車に乗って と記憶が混同していた 最後の蝿が印象的 機械、春は馬車に乗って、蝿 と連続で読んだが、運命に従い機械的に攻人生がずっとテーマなのかな
中学生の頃に教科書に載ってたのを思い出して読んでみた。なんとも言えない殺伐感が漂う不思議な読後。
先にあらすじのみは知っていたとは言え改めてきちんと読むとこんなにもあっさりとみんなしんでしまう。ただ一匹飛び立つ蠅が死の不条理をなおのこと物語る気がします。
なんじゃこりゃ!!!な結末でした(^-^;
最初は、場面がころころかわって、読みにくかったが、最後には、皆が馬車にのれて良かった……… と、言いたいが、馬を操る人?が居眠りをしたせいで、皆が死んでしまい、なんとなく最近起きたバスの居眠り運転の事故を思わせた