「最後の胡弓弾き」の感想
最後の胡弓弾き
さいごのこきゅうひき
初出:「哈爾賓日日新聞」1939(昭和14)年5月17日~5月27日

新美南吉

分量:約45
書き出し:一旧の正月が近くなると、竹藪《たけやぶ》の多いこの小さな村で、毎晩|鼓《つづみ》の音《おと》と胡弓《こきゅう》のすすりなくような声が聞えた。百姓の中で鼓と胡弓のうまい者が稽古《けいこ》をするのであった。そしていよいよ旧正月がやって来ると、その人たちは二人ずつ組になり、一人は鼓を、も一人は胡弓を持って旅に出ていった。上手《じょうず》な人たちは東京や大阪までいって一月《ひとつき》も帰らなかった。また信...
更新日: 2019/11/03
19双之川喜41さんの感想

 いえば 経年劣化となるけど 門付けのすたれていく様が 詩情溢れる筆致で 描かれている。 竹薮の雪が落ちる音。 胡弓の哀愁を帯びた音色。 南吉の作の中でも 上位と思った。