数学と語学
すうがくとごがく
初出:「東京帝国大学新聞」1929(昭和4)年4月分量:約9分
書き出し:ある入学試験の成績表について数学の点数と語学の点数の相関《コーレレーション》を調べてみたことがあった。各受験者のこの二学科の点数をXYとして図面にプロットしてみると、もちろん、点はかなり不規則に散布する。しかしだいたいからいえば、やはり X = Y で表わされる直線の近くに点の密度が多いように見えた。もっとも中にはXYのいずれか一方が百点に近くて他の一方の数値が小さいような例もあるにはあったが、大...