「死後の恋」の感想
死後の恋
しごのこい
初出:「新青年」1928(昭和3)年10月

夢野久作

分量:約49
書き出し:一ハハハハハ。イヤ……失礼しました。嘸《さぞ》かしビックリなすったでしょう。ハハア。乞食かとお思いになった……アハアハアハ。イヤ大笑いです。あなたは近頃、この浦塩《うらじお》の町で評判になっている、風来坊のキチガイ紳士が、私だという事をチットモ御存じなかったのですね。ハハア。ナルホド。それじゃそうお思いになるのも無理はありません。泥棒市に売れ残っていた旧式のボロ礼服を着ている男が、貴下《あなた》の...
更新日: 2023/10/10
c2f22e1d04acさんの感想

中学生のときに読んで衝撃をうけました。こんな悲しい話があるのかな…と。

更新日: 2020/11/01
19双之川喜41さんの感想

 生きていても 恋なんて無理な人が 多いのに 死後に 何とかなったような気がするとは 一体 どう説明することになるのか。 斥候にでたロシア兵の目撃した 殺戮現場は 映像が 目に浮かぶような気がしてくる。

更新日: 2019/09/18
16c5fd7bf9f9さんの感想

最初から最後まで夢野久作の世界観に飲み込まれる内容だった。 読み終わったあとにもう一回読みなおすと、聞き手である日本人(私たち)が何を信じ、何を信じなかったのか考えさせられる。 とにかく、世界観や恋の考え方が独特でとても綺麗な作品だったと思う。

更新日: 2019/03/19
7cf850393f0aさんの感想

グロテスクだがその中にちらつく美しさ、儚さをこの短い作品に納め得られています。 また、この手の話(アナスタシアに関する伝説)がこの時期の日本にはもうあったというのは驚きでした。父杉山茂丸経由で知った素材なのでしょうか。

更新日: 2017/10/17
66cbb27b50c6さんの感想

ワーシカの心の奥底に、まさに焼き印の様に刻まれた「死後の恋」。理解出来るか、と問われるならば、理解は「出来ない」。しかし物語を読み進める事で「死後の恋」、その一端を掴むことが出来る。

更新日: 2015/11/02
e3da249aece7さんの感想

著者の作品の中でも、特に好きな作品。 “風来坊のキチガイ紳士”の語る話の真偽の程は定かではないが、ガソリンマッチの炎に浮かぶ殺戮現場の様子は、凄惨ながらも美しく、読了後も強く頭にこびりつく。 一度目と二度目でリヤトニコフに対する印象はかなり変わる為、是非読み返して貰いたい作品でもある。