中学生のときに読んで衝撃をうけました。こんな悲しい話があるのかな…と。
生きていても 恋なんて無理な人が 多いのに 死後に 何とかなったような気がするとは 一体 どう説明することになるのか。 斥候にでたロシア兵の目撃した 殺戮現場は 映像が 目に浮かぶような気がしてくる。
最初から最後まで夢野久作の世界観に飲み込まれる内容だった。 読み終わったあとにもう一回読みなおすと、聞き手である日本人(私たち)が何を信じ、何を信じなかったのか考えさせられる。 とにかく、世界観や恋の考え方が独特でとても綺麗な作品だったと思う。
グロテスクだがその中にちらつく美しさ、儚さをこの短い作品に納め得られています。 また、この手の話(アナスタシアに関する伝説)がこの時期の日本にはもうあったというのは驚きでした。父杉山茂丸経由で知った素材なのでしょうか。
ワーシカの心の奥底に、まさに焼き印の様に刻まれた「死後の恋」。理解出来るか、と問われるならば、理解は「出来ない」。しかし物語を読み進める事で「死後の恋」、その一端を掴むことが出来る。
著者の作品の中でも、特に好きな作品。 “風来坊のキチガイ紳士”の語る話の真偽の程は定かではないが、ガソリンマッチの炎に浮かぶ殺戮現場の様子は、凄惨ながらも美しく、読了後も強く頭にこびりつく。 一度目と二度目でリヤトニコフに対する印象はかなり変わる為、是非読み返して貰いたい作品でもある。