「学者と名誉」の感想
学者と名誉
がくしゃとめいよ

夏目漱石

分量:約5
書き出し:木村項《きむらこう》の発見者|木村《きむら》博士の名は驚くべき速力を以て旬日《じゅんじつ》を出ないうちに日本全国に広がった。博士の功績を表彰《ひょうしょう》した学士会院《がくしかいいん》とその表彰をあくまで緊張して報道する事を忘れなかった都下の各新聞は、久しぶりにといわんよりはむしろ初めて、純粋の科学者に対して、政客、軍人、及び実業家に譲らぬ注意を一般社会から要求した。学問のためにも賀すべき事で、...
更新日: 2016/03/06
まーちゃんさんの感想

突然人口に膾炙することがあるのは今日もそうである。五郎丸などいい例だ。強豪チームに勝てば、にわかラグビーファンも増える。今まで何していたかも知れぬ人物がノーベル賞でも受賞すれば大変だ。大急ぎで履歴書を作成しなければワイドショーの視聴率はとれない。ただ熱し易く冷め易いのが日本国民感情。いずれ等閑に付される。夏目が言う不平等さはせいぜい一週間続けばいい方だ!!今日の情報化社会の中では「人の噂も3日まで」ではなかろうか?ネットの書込は一生消えないと言うが世間の人はそんなに暇ではない。忘れ去られるだけだ。