「温泉」の感想
温泉
おんせん

梶井基次郎

分量:約14
書き出し:断片一夜になるとその谷間は真黒な闇に呑まれてしまう。闇の底をごうごうと溪《たに》が流れている。私の毎夜下りてゆく浴場はその溪ぎわにあった。浴場は石とセメントで築きあげた、地下牢のような感じの共同湯であった。その巌丈《がんじょう》な石の壁は豪雨のたびごとに汎濫する溪の水を支えとめるためで、その壁に刳《く》り抜かれた溪ぎわへの一つの出口がまた牢門そっくりなのであった。昼間その温泉に涵《ひた》りながら「...
更新日: 2024/04/24
19双之川喜41さんの感想

 渓(かわ)まで 石段を 降りて行くと 半分は 村の共同浴場 もう半分は 旅館の客向きの浴場となっている。鮎の時期になると 魚を 一匹は 口にくわえ 一匹は 針に 一匹は 手にした 男達が 温泉に浸かりにくるという。おまけに 馬用(うまよう)の温泉まで あるそうで のどかな景色に 囲まれているようだ。セコノタキ温泉と 呼ばれているという。のんびりとした 湯治場の風景に 心まで 癒されると 感じた。

更新日: 2024/04/11
8eb05d040692さんの感想

情景描写が巧みで美しい

更新日: 2020/11/06
yopparariさんの感想

薔薇やダリアが咲く家の美人娘と、そのおかげで明るい家族や犬を想像して私の気持ちも明るくなった。犬も明るくなるの可愛い。

更新日: 2019/10/22
いちにいさんの感想

やっぱり闇だ。闇の作家だ。梶井は。

更新日: 2017/10/29
芦屋のまーちゃんさんの感想

クラッシク音楽をBGMとするなら 梶井基次郎の作品に合うのは ベートーベンの「運命」だと思う ‘ダダダダ~ン、ダダダダ~ン’ と戸を叩く音 温泉に入る者に不安と恐怖を与える 蛇口から滴る水音 眠れぬ夜に如何ですか?

更新日: 2015/11/25
5d1bfbeedad0さんの感想

梶井さんの通ったこの温泉浴場に、わたしも行ってみたい。 それにしても、本当に感性豊かな人だなあ。