「就職」の感想
就職
しゅうしょく

林芙美子

分量:約29
書き出し:何をそんなに腹をたててゐるのかわからなかつた。埼子は松の根方に腰をかけて、そこいらにある小石をひろつては、海の方へ、男の子のやうな手つきで、「えゝいツ」と云つては投げつけてゐた。石は二三間位しか飛ばないで、その邊の砂地の上へ濕つた音をたてておちてゐる。冬の濱邊は、時々遠くの方から、ごおつごおつと風を卷きたててゐた。空には雲の影もないのに薄陽が針をこぼしたやうに砂地にやはらかい光をおとしてゐる。埼子...
更新日: 2018/10/09
いちにいさんの感想

人間らしい生き方=平凡な生涯 これは健康な者の言い訳だ! 行く先短い病の埼子からすれば、 平凡な生き方すらできない苛立ちがある。男は勝手に遠い会社に就職してしまう。結局、千葉の保養所で独りぼっちだ。自由な青春を送りたい!そんな女心を伝えている。