「瀑布」の感想
瀑布
ばくふ

林芙美子

分量:約100
書き出し:橋の上も、河添ひの道も、群集が犇めきあつてゐる。群集の後から覗いてみたが、澱んだ河の表面が、青黒く光つて見えるだけで、何も見えない。そのくせ群集は、折り重なるやうにして、水の上を覗いてゐる。何だらうと云ひあひながら、前の方へ押し出されたものは、見てしまつた安堵で、後から押される人間の力を振り切つて、犇めく人の間を、ぐんぐんと外側へ出て来てゐる。「何です?」いやにおもねるやうな尋づねかたで、訊くもの...
更新日: 2022/03/28
19双之川喜41さんの感想

 冒頭の場面は 今はない 数寄屋橋の下の川に 浮き身を取り 恰も 溺死人のように ぷかりぷかりと 漂って 人集めの 宣伝活動をする。 敗戦の頃の 時代の激動は 人々に注ぎかかり 影響は酷かったと思った。