「やもり物語」の感想
やもり物語
やもりものがたり
初出:「ホトトギス 第十一巻第一号」1907(明治40)年10月1日

寺田寅彦

分量:約12
書き出し:ただ取り止めもつかぬ短夜の物語である。毎年夏始めに、程近い植物園からこのわたりへかけ、一体の若葉の梢が茂り黒み、情ない空風《からかぜ》が遠い街の塵を揚げて森の香の清い此処《ここ》らまでも吹き込んで来る頃になると、定まったように脳の工合が悪くなる。殺風景な下宿の庭に鬱陶《うっとう》しく生いくすぶった八《や》つ手《で》の葉蔭に、夕闇の蟇《ひきがえる》が出る頃にはますます悪くなるばかりである。何をするの...
更新日: 2025/03/10
8eb05d040692さんの感想

とても良かった。ヤモリを軸に語る作者の思い出が、なんだか心に沁みた。

更新日: 2019/11/09
19双之川喜41さんの感想

 寅彦は気持ちが鬱(ふさ)ぐと 暗闇坂を下つて 曙湯に行くことにしていた。 坂の途中の街灯に やもりが張り付いているのを たびたび見かけることがあった。 それを きっかけにして 思い出を語る。