星
ほし
初出:「ホトトギス 第三巻第一号」1899(明治32)年10月26日分量:約1分
書き出し:天幕の破れ目から見ゆる砂漠の空の星、駱駝《らくだ》の鈴の音がする。背戸《せど》の田圃《たんぼ》のぬかるみに映る星、籾磨歌《もみすりうた》が聞える。甲板に立って帆柱の尖《さき》に仰ぐ星、船室で誰やらが欠《あく》びをする。(明治三十二年十月『ホトトギス』)底本:「寺田寅彦全集第一巻」岩波書店1996(平成8)年12月5日発行底本の親本:「寺田寅彦全集第一巻」岩波書店1985(昭和60)年7月5日第3刷...