「鷹を貰い損なった話」の感想
鷹を貰い損なった話
たかをもらいそこなったはなし
初出:「行動 第二巻第八号」1934(昭和9)年8月1日

寺田寅彦

分量:約4
書き出し:小学時代の先生方から学校教育を受けた外に同学の友達からは色々の大切な人間教育を受けた。そういう友達の中にも硬派と軟派と二種類あって、その硬派の首領株からはだいぶいじめられた。板垣退助を戴いた自由党が全盛の時代であったので、軍人の子供である自分は、「官権党の子」だという理由でいじめられた。東京訛が抜けなかったために「他国もんのべろしゃ/\」だと云っていじめられた。そうして、墨をよこさなければ帰りに待...
更新日: 2025/01/15
65c8aadc88adさんの感想

雙喜 寅彦が 小学生の頃 鳥屋の息子が 文具をくれたら 代わりに 鷹をやるという話しを 真に受けて あろうことか 文具を 先に 渡してしまった。麻薬取引だって 物と金とは 同時に渡すのが 暗黒業界の 仁義ときく。同時履行の 原則は 覚えておいたほうが いいかもしれない。相手は もっともらしい 言い訳を 繰り出して 鷹を 差し出すことは なかった。この経験から 寺田は 長じてからは 注意深く なったわけではないのらしいので むしろ 彼の 上質の 人柄が しのばれて 面白いと感じた。