中島敦
虎に殺されかかった勢子を 足蹴にした親友に 十数年ぶりに 偶然 本郷で 行き会う。 友は たちまち 去ってゆく。 中島の虎を題材とした作品の 原体験のようなものが 窺われ偲ばれると感じた。
中島敦の虎狩は中島敦自身の中学生時代の同級生の半島人趙大煥と一緒に半島へ虎狩に行った話。薄笑い仏頂面の趙大煥の考えていることが分からないままに別れてしまったという話。
心の奥では惨劇を望む人もいるのでしょう。 趙の長細く猜疑的な目付きはそれをよく表現してると思われました。