「珠」の感想
たま
初出:「文章世界」1917(大正6)年8月号

素木しづ

分量:約28
書き出し:丁度夏に向つてる、すべての新鮮な若葉とおなじやうに、多緒子《たをこ》の産んだ赤ん坊は生き/\と心よく康《すこ》やかに育つた。そしてそれと同時に産後思はしくなかつた彼女の肉體も恢復して來ると、ながい間産前から産後、そしていまもなほ引つゞいてゐる、いろ/\涙ぐましい堪へがたいなやみも、忙しい雜事の爲めにとりまぎれて、思ひつめる事も少なくなつた。多緒子は産後思はしくなかつたけれども、彼女の若い肉體には、...
更新日: 2022/06/01
19双之川喜41さんの感想

 題名の意味は 女の新生児のことである。母親は 足が不自由なのでそのことを 我が子に どのように説明したらよいかと 先走って 色々 ひそかに 悩む。肺炎にかかってしまったので 海辺に 転地療法のために 引越したりする。思うようにいかないことが ある中で それでも 母乳だけは 豊富に出るのが 救いとなる。赤子の 両足の 長さを 均等であることを 確かめる場面には 涙を 誘われると 感じた。