「亮の追憶」の感想
亮の追憶
りょうのついおく
初出:「明星」1922(大正11)年5月

寺田寅彦

分量:約29
書き出し:亮《りょう》の一周忌が近くなった。かねてから思い立っていた追憶の記を、このしおに書いておきたいと思う。亮は私の長姉の四人の男の子の第二番目である。長男は九年前に病死し、四男はそれよりずっと前、まだ中学生の時代に夭死《ようし》した。昨年また亮が死んだので、残るはただ三男の順《じゅん》だけである。順はとくにいでて他家を継いでいる。それで家に残るは六十を越えた彼らの母と、長男の残した四人の子供と、そして...
更新日: 2025/03/07
65c8aadc88adさんの感想

雙之川喜1941  亮は 寅彦の 従兄弟に あたる。寅彦は 彼への 追悼の 念を 切々と 語り 継ぐ。亮は 肉体的にも 精神的にも 傷つきやすく 脆い 体を 持ち ながらも 向上心が 無いわけではなく 登校拒否を 克服 しようと みずからは 最大の 努力を しては いたけれど うまく 解決することが できないので つらい 日々を 無為に 過ごしていた。男として 弱さと 戦う 戦士と 見立てれば 決して 弱くは なかった。亮の 母親も 皆様から 想って いただけて 不幸せとは 思われないと 述懐していた という。