撰ばれてある事の、恍惚と不安、という事ですね。中途半端な才能は、人を、駄目にする。
太宰の作品の中には 中学生の日記を 下敷きにして書いて 好評を えたものもあるらしいけど ここで描かれている 女性徒は たまたま 投稿した文章が好評だったので 大人達が 乗り気になって 文章修行を 勧めたりするのに 当の本人は その時は 乗り気でなく 後になってから やる気が出てきたと言う よくある話である。
全てのことはタイミング。 後から惜しくなろうがあとのまつり。 でも、ほんとうに、悪い子ではないのです。
言葉もそんなに難しくないし、長さもそんなに長くないので、なかなか読みやすいと思います。一人の娘のごく普通の日常生活を描いているようですが、読めば読むほど自分にも当てはまるような気がして悲しくなりました。最初の出る杭は打たれるみたいな内容の話も、自分のために言い争う両親に罪悪感を感じることも、したくなかったことがしたくなった時その能力を既に失ったことも、すべて身近なことなので、とても心に入りやすいと思います。やっぱり太宰の文字には、「罪」を感じさせます。天才は孤独である、しかしその「人間」の群れに戻るために才能を捨てたら、また人間に捨てられる、ということも、この作品を拝読してしばし考えさせられていました。
実に洒落た書き方で見事な太宰ワールドを作り上げている。錆びた鍋、芝居のような雪。素敵な表現だと思いませんか?
自分が考えているようで気が滅入る。こうして殺される人間がいる。
やりたいこと、やりたくないこと。できること、できないこと。何事もタイミング。
天才と持て囃され、挙げ句の果てには見捨てられる。まるで諸刃の剣の様。淡々と進む展開に背筋が凍った。