「千代女」の感想
千代女
ちよじょ
初出:「改造」1941(昭和16)年6月

太宰治

分量:約31
書き出し:女は、やっぱり、駄目なものなのね。女のうちでも、私という女ひとりが、だめなのかも知れませんけれども、つくづく私は、自分を駄目だと思います。そう言いながらも、また、心の隅《すみ》で、それでもどこか一ついいところがあるのだと、自分をたのみにしている頑固《がんこ》なものが、根づよく黒く、わだかまって居るような気がして、いよいよ自分が、わからなくなります。私は、いま、自分の頭に錆《さ》びた鍋《なべ》でも被...
更新日: 2020/04/01
梶サンさんの感想

撰ばれてある事の、恍惚と不安、という事ですね。中途半端な才能は、人を、駄目にする。

更新日: 2019/10/27
19双之川喜41さんの感想

 太宰の作品の中には 中学生の日記を 下敷きにして書いて  好評を えたものもあるらしいけど  ここで描かれている 女性徒は  たまたま 投稿した文章が好評だったので  大人達が 乗り気になって  文章修行を 勧めたりするのに 当の本人は  その時は  乗り気でなく 後になってから やる気が出てきたと言う  よくある話である。

更新日: 2017/12/14
aa55d7ad2e7bさんの感想

全てのことはタイミング。 後から惜しくなろうがあとのまつり。 でも、ほんとうに、悪い子ではないのです。

更新日: 2017/09/19
緑茶卵さんの感想

言葉もそんなに難しくないし、長さもそんなに長くないので、なかなか読みやすいと思います。一人の娘のごく普通の日常生活を描いているようですが、読めば読むほど自分にも当てはまるような気がして悲しくなりました。最初の出る杭は打たれるみたいな内容の話も、自分のために言い争う両親に罪悪感を感じることも、したくなかったことがしたくなった時その能力を既に失ったことも、すべて身近なことなので、とても心に入りやすいと思います。やっぱり太宰の文字には、「罪」を感じさせます。天才は孤独である、しかしその「人間」の群れに戻るために才能を捨てたら、また人間に捨てられる、ということも、この作品を拝読してしばし考えさせられていました。

更新日: 2016/12/11
77bae0f32e0fさんの感想

実に洒落た書き方で見事な太宰ワールドを作り上げている。錆びた鍋、芝居のような雪。素敵な表現だと思いませんか?

更新日: 2016/06/17
1dbde5ace62dさんの感想

自分が考えているようで気が滅入る。こうして殺される人間がいる。

更新日: 2016/06/17
わたくしといふげんしょうさんの感想

やりたいこと、やりたくないこと。できること、できないこと。何事もタイミング。

更新日: 2016/01/08
32833fabb1d9さんの感想

天才と持て囃され、挙げ句の果てには見捨てられる。まるで諸刃の剣の様。淡々と進む展開に背筋が凍った。