「函館の大火について」の感想
函館の大火について
はこだてのたいかについて
初出:「中央公論」1934(昭和9)年5月

寺田寅彦

分量:約26
書き出し:昭和九年三月二十一日の夕から翌朝へかけて函館《はこだて》市に大火があって二万数千戸を焼き払い二千人に近い死者を生じた。実に珍しい大火である。そうしてこれが昭和九年の大日本の都市に起こったということが実にいっそう珍しいことなのである。徳川時代の江戸には大火が名物であった。振袖火事《ふりそでかじ》として知られた明暦の大火は言うまでもなく、明和九年二月二十九日の午《ひる》ごろ目黒《めぐろ》行人坂《ぎょう...
更新日: 2025/09/20
艚埜臚羇1941さんの感想

  大火に ついて 広く 考察 している。消防研究所の ような 組織の 必要性につき 力説 しているけど 今日では 実現 していると思われる。市民が 明治 以来の 文明開化 中毒に かぶれて 徳川時代に 習得した 消防技術を 忘れて 警察力に 頼り 民間の 力を 軽視したのも 遠因とする。一理 あると 感じた。