「天災と国防」の感想
天災と国防
てんさいとこくぼう
初出:「経済往来」1934(昭和9)年11月

寺田寅彦

分量:約20
書き出し:「非常時」というなんとなく不気味なしかしはっきりした意味のわかりにくい言葉がはやりだしたのはいつごろからであったか思い出せないが、ただ近来何かしら日本全国土の安寧を脅かす黒雲のようなものが遠い水平線の向こう側からこっそりのぞいているらしいという、言わば取り止めのない悪夢のような不安の陰影が国民全体の意識の底層に揺曳《ようえい》していることは事実である。そうして、その不安の渦巻《うずまき》の回転する...
更新日: 2021/06/24
19双之川喜41さんの感想

 古い建物でも 九州の城のように 崩れてしまうことがあるので 難しい問題を内包しているけど 天災と国防(外国からの侵略)の 同時発生も無視できないので 同時の災害対策の專従の組織は 検討の価値ありと思う。

更新日: 2015/09/18
b884b4617b87さんの感想

歴史は繰り返すとは、このことでしょうか。 まるで、昨日の新聞に掲載された論説のようです。

更新日: 2015/09/15
a5ac6a3c331fさんの感想

学者さんなので 難しいのではと思っていたら とても読みやすく すべて納得させられる内容でした。 日本は 『地理的位置が特殊、国際的にも気象学的にも 地球物理学的にも特殊であることを忘れてはならない』 現在の原発の問題は、どのような考えを述べられただろう。 『災禍が頻繁であることが 国民性のすぐれた諸相をつくりあげた』 反面、 『文明が進むと 自然を征服しようとする野心をもつ』 すべての言葉が深く心に、沁みてきます。 いろいろな出来事の度に、謙虚さということを忘れてはならないと 私自身、いつも感じています。 『驕り』をもたないようにと。 聞き慣れない熟語がありましたが 前後の文から 意味が推測され 漢字は すばらしいものだと再確認しました。

更新日: 2015/09/14
50779b7593f3さんの感想

耳が痛い!! この、昭和9年に書かれた内容が今となんら変わらないように思える。 寺田氏が作中で為された提案は、極めて当たり前の事なのだがいずれも目からうろこだった。 陸海空の自衛隊、特に陸上自衛官に異常に負担を掛けてる今、災害専門の機関の設置は急務に思う。 今からでも…いや、今だからこそ考えるべきではないだろうか。