遠回りな善行ほど、人を傷つけるものはないですね。
人から、悪魔、と呼ばれたら流石にshockであろう。悪魔の印象は、血も涙も無い冷酷な乱暴者、であろう。主人公はどう見ても病弱(精神を病んだ)な女々しい男だ!彼は、自分が悪魔で無いことを証明するべく行動を起こす。 家人や先輩やらに自分が何者かを問い質している。ようやく、悪魔で無いことが判明したが、読者の女性に決勝点を決められてしまう。見舞いに行った病室で帰り際に「悪魔!」と宣言されてしまう。
悪魔と馬鹿を比較し、相手の夢を叶える事の寂しさのオチが、なんとも言えない仕上がりになっている。太宰の臆病な性格と、自意識過剰な嫌悪すべき部分が、愛らしく書かれていて、私自身も、間違えた恋愛をおかしそうになる。
自分の行動が他人にどう思われているかは解らない
周囲の目を気にして翻弄されれば、自分自身が「他人から見た私」になりかねない。
自分で思う自分、人から見た自分、本当の自分とはなんだろう。 あなたから見る私はだれでしょうか。