「大阪を歩く」の感想
大阪を歩く
おおさかをあるく

直木三十五

分量:約83
書き出し:大大阪小唄直木三十五作歌一、大君の船着けましき、難波碕「ダム」は粋《シック》よ、伊達姿、君に似たかよ、冷たさは、黄昏時の水の色、大阪よいとこ、水の都市二、高き屋に登りて、見れば、煙立つ、都市の心臓《ハート》か、熔鉱炉燃ゆる焔は、吾が想い君の手匙《てさじ》で、御意のまま大阪よいとこ、富の都市三、近松の昔話か、色姿酒場《バー》の手管は、ネオンサイン青と赤との、媚態《コケティッシュ》断髪のエロも、うれし...
更新日: 2017/02/12
b5efb74d29f3さんの感想

大阪と東京の違い、文化の違いをこの時代に明確に喝破している。好著。

更新日: 2017/01/18
b9ef941530ccさんの感想

直木三十五の大阪を歩くでは、大阪人のこと、事に大阪の女と商人のことを、ボロクソに貶し批判している。直木三十五にとっての故郷大阪を誉めて誇りにしようとはしているが、兎角、東京人と比較して、東京の方が文化があり、上品で良いと誉めちぎる。確かに大阪人は下品で図々しく、がめつく、セコイ。直木三十五は単なる大衆文學だけでなく、科学知識、政治・経済はど文学以外のちしきも有ると言い、そんな文学も書きたいと言っているが、あまり興味は湧かない。戦前の作品なのであるが、日本大阪の将来は科学技術に有ると、科学の研究所をいっぱいつくってより大きな富を産み出すべきと言っているのは、卓見である。