お嬢様の屈折した欲望というか衝動みたいな話 昔から人は変わらないのか?
綺麗な学生というから、てっきり女同士かと思った。遺憾である。
友のアルバムから その恋人を見抜くのが 話の発端という筋立ては 意表をつく。 女友達の兄が 妹の駆け落ちを 夜遅くに 知らせに来たので 若い血潮が沸き立ち 虚しく停車場に追う。
女心。せつなさと現実。幸せであれ。
こんな夜ってありますよね。きっと誰にでも。
女の親友も男が介入すると疎遠になる、とある。 男の場合は逆のような気がする。女もいない男は所謂イケてる男連中からはオミットされる。だから、オタクのような連中ばかりが、慰めあい、アイドル追っかけるんだ。 それは良いとして、この女がその親友の兄に恋をする、という話。よくある話だろうか?知り合いの紹介で結婚に至るケースはあまり実際は聞かない。ある種のお見合いみたいだ。その意味では、職場結婚もお見合いの要素あるのか?街で偶然に出会った全く知らない人に恋するのが恋愛の始まりであるべきだ。しかも、その恋がある程度成就すること。でなければ、オタクばかりの世の中になってしまう。希望も何もない。
太宰さん女心よくお分かりですね。
少しいぶかしい作品かな?わざと一味足りない作りにしたのでしょう。一本取られました。
締めがすごくいい。一時の感情のままの恋か、白昼夢か。女友達、女と男、さまざまな関係が混じって心移り行く様を太宰お得意の女性視点で描いている。
女の友情も男が一人かかわってくると、崩れていく、というようなことが書いてある。太宰はよく女性心理を観察しているね! それと登場人物にそれとなく同業他社の作家の批判を公然としてるところが面白い。
若い女性の 予想もつかない心の動き、秘められた想い。 多くの人が 大なり小なり、人に言えない、言いたくない 事ってあるのでしょうね。 恋愛にかぎらず。 説明のできない心理状態や、発作的な行動は、案外 年をとってもあるのかもしれないと 我が身を振り返ってみました。