「ウィリアム・ウィルスン」の感想
ウィリアム・ウィルスン
ウィリアム・ウィルスン

ポーエドガー・アラン

分量:約62
書き出し:それをなんと言うのだ?わが道に立つかの妖怪《ようかい》、恐ろしき良心とは?チェインバリン(1)「ファロニダ」さしあたり、私は自分をウィリアム・ウィルスンという名にしておくことにしよう。わざわざ本名をしるして、いま自分の前にあるきれいなページをよごすほどのことはない。その私の名前は、すでにあまりにわが家門の侮蔑《ぶべつ》の——恐怖の——嫌悪《けんお》の対象でありすぎている。怒った風は、その類《たぐ》...
更新日: 2022/04/02
19双之川喜41さんの感想

 自分自身の中の 克服すべき面と 葛藤しつつ 自己形成に励む というのが 多くの人の あり方だろうと 思われる。ところが そのしょうもない自分の 欠点を 殊更に強調したような 他者が現れたとしたら どうなるのだろうか。近親憎悪というわけでは ないけど 自らの屈折した思いに 手を焼いてしまうだろう。寄宿舎生活の 重厚な描写は ハリポタの 学園模様の 画き方を 思い出させ 重厚な 筆致と感じた。ボーから 肩透かしされたようにも 想ったのである。