「あそび」の感想
あそび
あそび
初出:「三田文學」1910(明治43)年8月

森鴎外

分量:約28
書き出し:木村は官吏である。ある日いつもの通りに、午前六時に目を醒《さ》ました。夏の初めである。もう外は明るくなっているが、女中が遠慮してこの間《ま》だけは雨戸を開けずに置く。蚊※《かや》の外に小さく燃えているランプの光で、独寝《ひとりね》の閨《ねや》が寂しく見えている。器械的に手が枕《まくら》の側《そば》を探る。それは時計を捜すのである。逓信省で車掌に買って渡す時計だとかで、頗《すこぶ》る大きいニッケル時...
更新日: 2022/04/09
19双之川喜41さんの感想

 官吏と作家の二足の草鞋を はいている木村は 両者の何れに対しても 「遊び」の心持ちで ことにあたる。 日常些事が 執拗に描写されるので そうでも 思わなくては やりきれないことが 実感できる。