雙喜 太宰の 家族は 全員 東京から 甲府に 疎開する。途中 子供が 重い 眼病に 罹り 眼が 塞がったので 失明を 案じている。激しい 空襲の 下で やっと 診てもらえた 医者の おかげで なんとか 失明は 避けられた。それだけでも 微かな 明るさが 見えてきた ような 気には なる。執拗な 都市部に たいする 爆撃は 世界の 戦争の 歴史でも あまり なかった のではないかと 感じた。
悲惨な戦時下の体験談に胸がつまる。着の身着のままで焼失した自宅から、子ども二人連れて義妹を頼って疎開する光景は、当時の日常の出来事だと察する。太宰の家族に対する深い愛情に感動しました。どんな境遇にあっても、子どもの視線で接することができる、素晴らしい父親です。
依然変わらず絶望的な状況なのだけど、妙に心がホッとしてしまう。不思議な感覚だ。
戦時中、疎開先が空襲により焼け、多くの物を失った最中の希望
目の前の悲しみより目が見えた喜びが勝ったとはいえ、焼けた家を見て微笑している娘。 やはり、時代背景を生かしつつも太宰文学らしく、救いがあるような、ないような感覚の繰り返しのお話ですね。