「『吾輩は猫である』中篇自序」の感想
『吾輩は猫である』中篇自序
『わがはいはねこである』ちゅうへんじじょ

夏目漱石

分量:約6
書き出し:「猫」の稿を継《つ》ぐときには、大抵初篇と同じ程な枚数に筆を擱《お》いて、上下二冊の単行本にしようと思って居た。所が何かの都合で頁《ページ》が少し延びたので書肆《しょし》は上中下にしたいと申出た。其辺は営業上の関係で、著作者たる余には何等の影響もない事だから、それも善《よ》かろうと同意して、先《ま》ず是丈《これだけ》を中篇として発行する事にした。そこで序をかくときに不図《ふと》思い出した事がある。...
更新日: 2021/05/10
4cce74db6d82さんの感想

正岡子規との友情があたたかい。糸瓜と南瓜の句もいい。 漱石が「吾輩は猫である」を略称で「猫」と呼んでいて、作品と主人公の猫への愛情が感じられる。

更新日: 2018/09/21
大宇宙の少年さんの感想

文豪同士の関係性を少しだけ知ることができ、漱石の子規に対する追悼の気持ちが伝わってきました。

更新日: 2016/03/24
9b26feb0707bさんの感想

心に響く序文。一度読んで以来忘れられない。 子規と漱石の関係が垣間見られる。漱石が作家になるまで子規が生きていたらどうだっただろうか。子規は寝たきりになっても布団から発信を続けた男だから、さんざん漱石を振り回しただろうな。そんな男が見せる苦しいという弱みが余計に響く。倫敦の焼き芋に反応するところも食いしん坊の子規らしい。