「入社の辞」の感想
入社の辞
にゅうしゃのじ
初出:「朝日新聞」1907(明治40)年5月3日

夏目漱石

分量:約6
書き出し:大学を辞して朝日新聞に這入《はい》ったら逢《あ》う人が皆驚いた顔をして居る。中には何故《なぜ》だと聞くものがある。大決断だと褒《ほ》めるものがある。大学をやめて新聞屋になる事が左程《さほど》に不思議な現象とは思わなかった。余が新聞屋として成功するかせぬかは固《もと》より疑問である。成功せぬ事を予期して十余年の径路を一朝に転じたのを無謀だと云って驚くなら尤《もっとも》である。かく申す本人すら其の点に...
更新日: 2020/05/04
07859be9c7dbさんの感想

可もなし、不可 もなし

更新日: 2016/09/27
785fed41d27fさんの感想

よくぞこんな生意気な辞を書いてくれた。文面の堅さとチラリと見えるヒネクレ具合がたまらない

更新日: 2016/06/12
芦屋のまーちゃんさんの感想

何となく、大学は権威のある職であり、新聞社は新聞屋と表現しているように俗っぽいイメージがある。しかし、大学も新聞も商売に変わりない、という。漱石は大学を辞め、朝日新聞へ入社した。給料は新聞社の方がよかったようだ。より儲かる商売の方を選択したのだ。結局、最後は作家の道を歩むのであるが、今でいうところの転職である。漱石ほどの天才でも最初から天職が何か?など知らなかったということだ。