本物の女生徒の書いた日記を元にしているだけあって、作中の彼女の心情は私にも痛いほど同情させられるところである。日常に潜む、砂粒より小さい希望、落胆、幸福、憂鬱、そういったものをうまく捕まえて文章にするのが、太宰も有明淑も上手い。
今の自分と同じだなと思いました
あゝ
当時の女生徒の日常の中での感情の浮き沈みがとてもよく伝わってくる。 また主人公の不意に現れる嫌悪感への正直な攻撃性もこの小説の質を高めているようで良い。
やはり男が書いた文体丸出し。 特に、言葉尻なんか所々気を抜いているのか、女の子の口調ではないし。 読後、気持ち悪さしか残らない。あくまで文体だけに関しては室生犀星の『蜜のあはれ』に共通の気持ち悪さがある。
枕草子♪
作中の女の子に共感出来るところが多々あり、思春期特有の気分の浮き沈みが激しくなる所をしっかり理解して文字に表せる太宰はすごいと思った。
太宰らしい文章 美しい
素晴らしい
すごく共感した。 何度でも読み返したい。
思春期の少女の視点で瑞々しく描かれた自然とコロコロ変わる心情の描写が見事。太宰治に十代女子が乗り移ったとしか思えない。 誰だって頭の中でぐるぐると意味もないことを考え続け、自己嫌悪に陥ったり逆に自己肯定感を高めたりすることはある。この作品はその脳内の思考をすべてぶちまけたかのように、少女が思ったことをひたすら記述したかのようだ。あれこれ考えて自分のことが嫌になりながらも、そんな自分を可愛く思い陶酔している節もある。大人になる過程、女になっていく自分を主観的に捉える彼女は子供でも女でもなく、「少女」である。一読の価値あり。
この作中の女の子みたいな 趣味を持ってるわけでもなく価値観も違う筈なのに 頭の中でくるくるまわってる感じが 一喜一憂したり 空想したりすることを楽しむことが好きな所が とてもリアルに感じられて 凄いなと思いました。
大人になりたいけども、大人になっていく自分を母親に愛してもらえない、 認めてもらえない。だからこそ、ぐるぐると悩んだり寂しがったりする自分を恥ずかしく思ってしまう。 幸福は一生来ない。そうかもしれない。しかし、同じ思いで、幾人もの少女は同じように月を仰ぐのだ。
年頃の少女の心の一瞬一瞬が瑞々しい描写で表現されており、まさしくこの女生徒と同じ年齢である私は作者の細やかな視点に感嘆した。子供から大人への道筋、その途中の尊い時間を生きる少女。子供らしい青々とした感性と、大人に近い理知的な思考の混ざった少女の心の内が見事に紡がれていて、彼女の心を一緒になって覗いているような、少しだけ散文的な言葉が心地よい。懐かしさに胸を高鳴らせるのも、共感に笑みを浮かべるのも、知ることのなかった感情に目を見張らせるのもよいだろう。まさしく女生徒の時分に読んでも、成熟した女性の時分に読んでもそれぞれ違った感傷に浸れる一冊だと思う。
太宰治といえば暗いイメージで(今はそこまで思いませんが)、最初に走れメロスと人間失格を読んだ私は少し驚きました。どうして「女」でも「生徒」でもない太宰がこんなにも思春期の女生徒の心情がわかるんだ!!と。 私自身も女生徒で、ものすごく共感できるところが沢山ありました。あんまり共感できるせいで時々胸が苦しく切なくなってしまいました。心に残っている場面、好きな文章が沢山あります。私が上手く言葉にできないで日々飲み込んでる気持ちが、沢山文章として綴られていました。自分も同じ女生徒という立場にいる、思春期のこの時期にこの作品を読めて本当に良かったと思います。きっと、もっと大人になってから読んだらまた違う感じ方をするかもしれないから。その時が楽しみです。
自分は思春期を終えたばかりくらいの年であるが、太宰と言えば「人間失格」を挙げるくらい無知な自分にとっては、衝撃的な文章だった。なんというか、フニュっとした甘酸っぱいグミのよう。たまにほろ苦いものが混じっているが、それは不快になるものではない、良い雑味である。調べたところ、どうやらこの時期は明るい作品を書いていたらしく、納得である。 ところで、普通はここまで読点を連発されるともたつくが、本作においてはそれが魅力であった。現代の女の子ではないのは当たり前だが、それを案外我々が受け入れられるのは、読点の多さによって時代の経過がぼかされているからではないか。内容そのものではなく、内容のきらめきに惹かれる。 久しぶりに、文庫版を買っておこうと思えた。
読者から送られてきた日記を基にして書かれたとはいえ、多感な女子の喜怒哀楽そしてそれ以上の感情を生き生きと表現出来るのは、太宰の才と優しさだ。きっと、有明叔は、それを信じて自分の日記を太宰に送ったのだろう。90年たった今でも、きらめいている。
クオレ、昼顔、裸足の少女(23)
なぜ著者は男なのにこんなにも少女の心を描写するのが上手なのだろうと思う。わかるわあと共感する事が多々ありました。
この作品の中には共感できる文章、好きな文章がたくさんある 太宰が書く女性は、みんな言葉遣いがとても美しくて好き