「明日の言葉」の感想
明日の言葉
あすのことば

ルポルタージュの問題

ルポルタージュのもんだい初出:「文芸首都」1937(昭和12)年12月号

宮本百合子

分量:約11
書き出し:日本文学が近い将来に、どのような新たな要素をとりいれて進展してゆくだろうかという問題は、決して単純に答えられないことであると思う。日本の社会がこの先どうなって行くだろうかと訊かれて、簡単に答え得る人は、寧ろ今日の現実の裡で十分緻密な生活感情をもって複雑な日々の経験をとり入れている人であるとは云い難い実情である。現実は益々複雑な面を露出している。文学の歩みがその社会的相関の相貌をつよく反映して、種々...
更新日: 2016/02/08
6ae1b137471fさんの感想

ルポルタージュと随筆の違いを批判的に描いていると読んだ ルポルタージュとして戦争を描いたつもりでいても、それは到底真実を描いたものではなく、エッセイの域を出ていない 戦地に兵士として赴かない作家のルポルタージュもきより兵士たちが書き送った書簡こそ、現実を伝えるものとして書籍化されるべきではないかという意見には個人的に賛成 遺族の感情云々という言葉で包み隠して消してしまっては、戦地で奪われた命が報われないんじゃないかとそんなことまで考えた