「花燭」の感想
花燭
かしょく
初出:1939(昭和14)年5月

太宰治

分量:約48
書き出し:一祝言《しゅうげん》の夜ふけ、新郎と新婦が将来のことを語り合っていたら、部屋の襖《ふすま》のそとでさらさら音がした。ぎょっとして、それから二人こわごわ這い出し、襖をそっとあけてみると、祝い物の島台《しまだい》に飾られてある伊勢|海老《えび》が、まだ生きていて、大きな髭《ひげ》をゆるくうごかしていたのである。物音の正体を見とどけて、二人は顔を見合せ、それからほのぼの笑った。こんないい思い出を持ったこ...
更新日: 2015/09/09
919ce499875eさんの感想

全く忘れていましたが 読み進んでいくと 所々に読んだ記憶があるような気がしてきました。 若いときは あまり心が引かれないで 忘れてしまったのでしょう。 年齢だけでは ないけれど読む時期によって 深い感銘をうけたり 共感したりしますが 同じ作品であっても ただ読んだことがある、ですんでしまうこともあります。 人間のいろんな心をみせてくれる お話で 興味深いです。 すべてが『太宰治』です。

更新日: 2015/09/08
b7ae0d0eea9eさんの感想

太宰は暗い重い辛いという印象だった浅学な私に姉がすすめてくれたものでした。  いくつかの疑問やひっかかりは残りますが、読中には仄暗い共感を、読了後には砂を吐くような気分を味わいます。 好きな作品です。