河上肇
経済の話ではなく、河上氏の親戚や友人との交遊を記したもの。人はただ食事の物だけを食べておいしいと思うのでなく、そこにまつわる情も感じておいしいと思うんだよ、というのは共感します。叔母への親しい気持ちと、せっかく親友と思っていた日本画家へのやや辛辣な感情の対比がおもしろい。自分の家柄をさりげなく自慢している部分もあって、人間味がでている気がします。