「乞食学生」の感想
乞食学生
こじきがくせい
初出:「若草」1940(昭和15)年7~12月

太宰治

分量:約88
書き出し:大貧に、大正義、望むべからず——フランソワ・ヴィヨン第一回一つの作品を、ひどく恥ずかしく思いながらも、この世の中に生きてゆく義務として、雑誌社に送ってしまった後の、作家の苦悶に就《つ》いては、聡明な諸君にも、あまり、おわかりになっていない筈《はず》である。その原稿在中の重い封筒を、うむと決意して、投函する。ポストの底に、ことり、と幽《かす》かな音がする。それっきりである。まずい作品であったのだ。表...
更新日: 2024/04/23
19双之川喜41さんの感想

 東京の三鷹-武蔵野あたりの 万助橋-井の頭公園-動物園が 文中に 出てくる。中でも 玉川上水は 後に 太宰が 女と共に 身を投げて 自殺したことで 有名な 知る人ぞ知る 場所でもある。その上水で水泳ぎをしていた男と わけが判らない 高踏的かもしれない 難解な会話を交すという 筋である。太宰の 後の 自死による 自らの幕引きを 暗示しているようにも想えた。辛抱強く 読み抜けば なんだ そうだったのかと なるかもしれない。

更新日: 2022/05/07
659d98b8c6e1さんの感想

更新日: 2021/08/11
700b1c41ed8fさんの感想

爽涼なる作品。小説を読んで大笑いをしたのは、これが初めてのことです。

更新日: 2020/09/12
f3b686502cd3さんの感想

井の頭公園、玉川上水、動物園懐かしい風景である。話しの内容がおかしいと思っていたら夢の話だった。

更新日: 2019/02/27
ペンネンネンネンネネムさんの感想

あまり知られていない作品のように思うが、名言が多い。若者らしい感情の発露や潔癖さを、若者をとうに過ぎた太宰の視点から描いている。読み手からするとそんな太宰自身まるで若者のようなのがユニーク。 「なるべくなら僕は、清潔な、強い、明るい、なんてそんな形容詞は使いたくないんだ。自分のからだに傷をつけて、そこから噴き出た言葉だけで言いたい。下手くそでもいい。自分の血肉を削った言葉だけを、どもりながら言いたい。」 太宰らしい、不器用で沁みる言葉が印象的。

更新日: 2015/11/03
雄志さんの感想

大好きな作品であり、人に推したい作品でもある。