「苦悩の年鑑」の感想
苦悩の年鑑
くのうのねんかん
初出:「新文芸」1946(昭和21)年3月

太宰治

分量:約20
書き出し:時代は少しも変らないと思う。一種の、あほらしい感じである。こんなのを、馬の背中に狐《きつね》が乗ってるみたいと言うのではなかろうか。いまは私の処女作という事になっている「思い出」という百枚ほどの小説の冒頭は、次のようになっている。「黄昏《たそがれ》のころ私は叔母《おば》と並んで門口に立っていた。叔母は誰かをおんぶしているらしく、ねんねこを着ていた。その時のほのぐらい街路の静けさを私は忘れずにいる。...
更新日: 2021/05/06
507959b4f52bさんの感想

太宰治は4回自殺を試みた。自殺をしたのではなく自殺を試みたのだ。 彼の自殺は死ぬのが目的ではなく、彼が生きていくために必要なことだった。 皮肉なことに、4回目の自殺で彼は本当に死でしまった。 まさか、4回目の自殺も自分が本当に死ぬとは思ってもいなかったのでは、と そんな気がする。本当に死ぬつもりなら、一回目の自殺で完全に死ねたはずだ。 また女性と一緒に海とか川に身を投げているのも何処かわざとらしさを感じる。 彼の小説「グッドバイ」が未完で終わっているのも気になる。

更新日: 2018/09/03
いちにいさんの感想

苦悩は真実か? 小説家だから苦しんでいるフリをしているだけなんじゃないだろうか? 家では、あかんべーをしているかも知れない。 だが、四回も自殺未遂をしたのは事実のようだ。本気で四回も死のうとしたとすれば尋常ではない。 苦悩は真実のようだ! 次に、疑問は貧乏でもないのに、何故、悩む必要があるのか? 別に、醜男ではないのだから、頭も悪くないのだから、幸せのはずだ。 病気持ちでもないだろうに。 それにしても、 10で民主、20で共産、30で純粋、40で保守、とは賑やかな人生だこと。 イデオロギーの百貨店だ! もし、生きてたら、50は何派?