「労働者の居ない船」の感想
労働者の居ない船
ろうどうしゃのいないふね
初出:「解放」1926(大正15)年5月号

葉山嘉樹

分量:約23
書き出し:こう云う船だった。北海道から、横浜へ向って航行する時は、金華山の燈台は、どうしたって右舷に見なければならない。第三金時丸——強そうな名前だ——は、三十分前に、金華山の燈台を右に見て通った。海は中どころだった。凪いでると云うんでもないし、暴化《しけ》てる訳でもなかった。三十分後に第三金時丸の舵手《コーターマスター》は、左に燈台を見た。コムパスは、南西《サウスウエスト》を指していた。ところが、そんな処...
更新日: 2016/06/05
イツ見習機関士さんの感想

船の予備知識が無いと、少し読みにくい作品。 ただし、1つだけ書かせてもらえば、現在の船は本作品のように劣悪な環境ではない。あくまで100年前の話である。 このような時代背景があったからこそ、現在の船は安全で衛生的であるということを分かってもらえればと思う。