「昇降場」の感想
昇降場
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広津柳浪

分量:約13
書き出し:上仙台の師団に居らしッた西田若子さんの御兄《おあに》いさんが、今度戦地へ行らッしゃるので、新宿の停車場を御通過《おとお》りなさるから、私も若子さんと御同伴《ごいっしょ》に御見送《みおくり》に行って見ました。寒い寒い朝、耳朶が千断《ちぎ》れそうで、靴の裏が路上《じべた》に凍着くのでした。此寒い寒い朝だのに、停車場はもう一杯の人でした。こんな多勢の人達が悉皆《みんな》出征なさる方に縁故のある人、別離《...
更新日: 2016/10/31
652a80165a76さんの感想

戦争に行く人の見送りの風景、押し合いへし合い混雑する駅舎の中に様々な人がいるという姿が描かれている。 戦時中は普通だろうけど、今から見れば何ともいえない。 現代の読み手はその心持ちを想像はできてもそこに肉薄する心境はなかなかに得難いと言える。